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ダーナ神族の王「銀の腕ヌアザ」の勇姿を見てみたい

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ファンタジー系の漫画・ゲームなどでよく聞く単語、〈アガートラム〉。「銀の腕」という意味で、ケルト神話に登場するダーナ神族の王・ヌアザの別名でもあります。

戦いにまつわる神で、戦ではダーナ神族を率いて戦ったヌアザですが、実は隻腕でした。神でありながら、何故隻腕になったのか? そして、彼が腕を失ってでも得たものとは?

今回は、ヌアザの勇姿に迫っていきたいと思います。

画像出典:pinterest

王でありつづけた男「ヌアザ」

出典:pinterest

アイルランドには5つの種族がやってきては、島の統治権をめぐって争いました。ダーナ神族は、そのうちの4番目にあたり、2番目にやってきたネウェズ族の末裔です。

アイルランドにやってきたダーナ神族は、当時の支配一族であったフィル・ヴォルグ族と島をふたつに分けて分割統治を行います。しかし、フィル・ヴォルグ族から見れば、ダーナ神族は侵略者同然。一部から不満が出たことで、両一族は戦うことに

コナトハ地方のモイ・トゥラ平原で戦い、ヌアザも先陣を切って参加。戦がはじまって4日目、ヌアザはフィル・ヴォルグ族最強の戦士であるスレンと一騎討ちをしますが、右腕を切り落とされてしまいます

戦はダーナ神族の勝利に終わりますが、王と国土を同一視していたケルト社会では、肉体の損失は致命的(王の肉体の損失=国土の損失)。

ヌアザは、王位を巨人族のフィモール族とダーナ神族の混血であったブレスに譲ります

ヌアザから王権を引き継いだブレスは、人々に厳しい税や労役を課し、暴君になってしまいます。

隻腕になったヌアザですが、医学の神のディアン・ケヒトによって銀製の義手(アガートラム)が作られ、力を回復します。その後、ディアン・ケヒトの息子であるミアハが生身の腕を作り出し、完治。王になるための条件を取り戻したヌアザは、ブレスを王座から引きずり下ろし、返り咲いたのでした。

これに不服だったのが、ブレス。ブレスは復権を狙い、フィモール族を率いてヌアザに戦いを挑みます。

この戦いもモイ・トゥラ平原で起こりました。ヌアザは太陽神・ルーを王に立て、自分は指揮官として戦場で戦います。しかし、奮闘もむなしく、フィモール族の王・バロールが持つ視線で相手を殺すことができる魔眼によって、妻・ヴァハと共に殺害されます。

その後、ルーがバロールと一騎討ちの果てに倒し、ダーナ神族は勝利したのでした。

ヌアザの戦神の血は引き継がれ、ケルト神話の英雄であるフィアナ騎士団長フィン・マックールは、ヌアザのひ孫だといわれています。

画像出典:ウィキペディア






ヌアザは、アーサー王と結びつく?

「Fate/Grand Order」

円卓の騎士で隻腕だったと伝えられている、べディヴィエールの義手として登場。魔術師・マーリンによって、ヌアザの銀製の義手の模造品を与えられ、宝具になっています。

乖離性ミリオンアーサー

アーサー王のひとつの側面として登場。身体にヌアザを宿しており、アーサーというよりもヌアザとしての部分が強いキャラクターです。

 


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まとめ

出典:pinterest

ヌアザの勇姿、いかがでしたか?

王が先陣を切って戦うなんてこと、なかなかないですよね。大将は、陣の奥でふんばっていているもの、なんて考え方もありますが、こんな王に率いられたい! なんて思っちゃうのもアリ?
 






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