アイルランドに伝わる妖精プーカ、様々に姿を変えるシェイプシフターであると伝えられています。なんとベルセルクでお馴染みの、イングランドの妖精バックの起源であるとか。
どう見ても悪魔としか見えないその風貌に反して良い妖精であるのか、またはその外見通りの性悪な存在なのか、
ご覧ください。
画像出典:randomdescent
妖精?プーカ
プーカ(púca, pooka, phouka, púka)はアイルランドの妖精。本来は動物の精霊であり、その名前もポック(牡山羊)から由来していると伝えられています。
漫画ベルセルクに登場するイギリスの妖精ベックの起源。
11月の精霊で、主には馬、ロバ、牡牛、山羊、などに姿を変えます。
人間の言葉を話し、金色の目の巨大なウサギや、ヤギの頭の人間の男、流れるたてがみの漆黒の馬。鷲となって空を飛ぶこともあれば、大きな黒山羊となって現れることもあります。
プーカは人にとって邪悪な妖精であるとも、恩恵を与える妖精であるとも伝えられています。人間に恩恵を与えたという言い伝えも残されていますが、一般的には妖精の中で最も恐ろしい存在として認識されています。
旅人を待ち伏せし、もしその背中に放り上げられると命がけの乗馬となり、戻ってきたときには別の姿となって二度と元には戻れないと恐れられています。
プーカをないがしろにしたり怒らせると、その人を家から誘い出し、獲物として背中に乗せて連れ去るのであるとか。
けれど、地域によっては恐れより畏敬の念を持って扱われてもいます。
プーカは出会った人には幸運をもたす山や丘の精霊。11月1日になると姿を現し、予言や警告を与えてくれると伝えられています。
アイルランドに残るプーカの言い伝え
アイルランドでは老人が子供に「熟れすぎたブラッドベリーは『プーカがばっちくした(糞を垂らした?)』実だから食べないよう」諭したと伝えられています。
そのほかにも
「年寄りの人は、プーカは昔いっぱいいたもんだ、とよく言っていました。.. プーカは性悪で、見た目が黒く、悪いモノでした。..鎖をまわりに垂れ下げた野生の若い牡馬'の姿でやってくるんです。で、うとい旅人にずいぶん悪さをするんです」
「ある農夫の息子パドリグ(Phadraig。パトリックのアイルランド形)が、ある日、目に見えないプーカが通り過ぎるのを感じ取り、外套(コート)をさしあげたいから、こちらにおいで、と呼びかける。プーカは若い牡牛の姿でやってきて、供物を受け取り、今晩、古びた粉ひき小屋までやって来な、といいつける。そのとき以来、プーカたちが夜中ひそかにやってきて、穀物の袋を置いておくと、いつのまにか粉に挽いておいてくれるようになった。パトリックは、最初の晩は寝てしまい、起きてからプーカの仕業に気が付いのだが、のちに、櫃の中に隠れてプーカの仕事ぶりを目にした。ある日、パトリックは、ぼろをまとうプーカが不憫になって、シルクのスーツをあつらえて置き残してやった。そうすると、思いのほか、プーカはこんな紳士の格好をしたからにゃ、少し世界を見て回らなにゃ、と言って、それ以降、仕事はせずにいなくなってしまった。しかしプーカのおかげでかなりの蓄財をした農夫は楽隠居し、パトリックは学問を修めさせ、めでたく結婚した。その式の日に、ひそかに黄金の杯を置かれてあったが、それがプーカの贈り物と何の疑いもなく飲み干すと、幸福にめぐまれたという」
といった言い伝えが残されています。
現代でも怖い存在? プーカ
「ドニー・ダーコ」
2001年製作のアメリカ映画。ウサギがシンボルとなった難解な映画として話題になっています。このウサギはプーカであると解釈されています。
出典;game8
『叛逆性ミリオンアーサー』では可愛い騎士カードとして登場。
「オーディンスフィア」では兎に似た獣として登場。その正体はバレンタイン王が編み出した最強の術で変化した人間たち。
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プーカの谷 アイルランドのこわい話 (こぐまのどんどんぶんこ) [ 渡辺洋子 ]
まとめ
出典:pixiv
馬やヤギをイメージするプーカは見るからに怪物。妖精ベルセルクの可愛い妖精バックと同じものであるなんて考えるのも怖い気がします。
たとえ、お手伝い妖精であるとしてもこれだけコワモテの何者かが同じ屋根の下にいるのは正直ご遠慮したいと思います。