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オーガ、ヨーロッパの鬼。シュレックもオーガ。おとぎ話の巨人。

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オーガはいわゆるヨーロッパの鬼。「長靴を履いた猫」や「ジャックの豆の木」の巨人。ネズミになって猫に食べられたり、地上に落ちたりのヤラレ役、彼らはこのオーガ族なんです。

そしてあのシュレックも実はオーガ。オーガとはこんなに心優しい関西弁の怪物なのか、その実態に迫ります。童話の中の人食い鬼オーガ、シュレックファンには意外なルーツかも。

出典:pinterest


オーガ、人食い鬼、あるいは巨人

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オーガ(ogre)、女性はオーグリス( ogress)、フランス語ではオグル( ogre)女性はオグレス(ogresse)と呼ばれます。

角もなく、トラやヒョウ柄の布をまとってはいませんが、日本でいういわゆる「鬼巨大な身体、驚異的な怪力の、人肉を喰らうヨーロッパ伝承の怪物です。

「長靴を履いた猫」や「ジャックと豆の木」の巨人など、様々な童話に登場。あのシュレックも実はオーガ族

日本での鬼は「酒呑童子(しゅてんどうじ)」や「茨木童子」など邪悪な存在、仏教の世界では邪鬼、夜叉、羅刹(らせつ)など、鬼は神としても崇められています。それと比較すれば、ヨーロッパの鬼、オーガは人間の知恵に倒されてしまう、いささか情けないような存在のようにも思われます。

** ルーツ **

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オーガ(オグル)は、元々ははっきりとした名前がなかった人食い怪物オーガ(オグル)という名前はシャルル・ペローの小説『長靴をはいた猫』で与えられています

名の由来は、ローマ神話の地下神オルクスや北欧神話の主神オーディンの異名ユッグ、遊牧民族オノグル族の名前から来ているともいわれます。

オノグル族は勇猛果敢な戦い方と残虐な性格で恐れられた東欧や中央アジアの種族。オノグルの「恐ろしい種族」というイメージが合わさり、オグル、オーガ、「鬼」「人食い怪物」の名になったのではないかと考えられます。

スカンジナビア半島の地域でのオーガはトロールと関連付けられた存在。莫大な財宝を蓄え、山奥の城に暮らしています。

 

** 容姿 **

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外見は人型で、醜悪な大男。身長は2~5m

ただしオーガの中には魔法を使うものもいて、巨大化したり縮小したり、動物や物に姿を変えることができるといわれています。

 

** 性格・生態 **

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性格は凶暴で残忍人間の生肉を好みます。

住処は大きな宮殿や城、地下や洞窟に居を構え、財宝を貯め込んでいたりする欲深かな性格。丘や山にひそみ、しばしばふもとの村や人家を襲撃することも。

食糧として若く美しい女性を好み、金品財宝の略奪という非道の限りを尽くします。

伝承によっては魔法を使えるものもいますが、知能は獣程度

引っ込み思案で臆病という面もあり、自分より弱い相手には強気な半面、自分より強いものや未知のものには怯え、従うといいます。

他の種族との交流は苦手で非社会的。子供のとんちに倒されたり、不意を突かれて泣きながら逃げることもしばしばあるようです。

 

童話の中のオーガ

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ヨーロッパの伝承の中に存在する邪悪な怪物、それらを総称してオーガと種類付けると、イギリスの叙事詩「ベオウルフ」に登場するグレンデル、トールキン「指輪物語」のオークもオーガであることになります。

** 長靴を履いた猫 **

オーガは長靴を履いた猫に騙され、ネズミに変身したところを食べられてしまいます。

ある粉挽き職人が死に、3人の息子にはそれぞれ粉挽き小屋、ロバ、猫が遺産として分けられた。三男が「猫を食べてしまったら、後は何もなくなってしまう」と嘆いていると、猫が「心配要りませんよ。まず、私に長靴と袋を下さい。そうすれば、あなたがもらったものが、そんなに悪いもんでもないことが近いうちに分かります」と応えた。

長靴と袋を調達してもらった猫はまずウサギを捕まえ、王様に「我が主人・カラバ侯爵が狩りをしまして。獲物の一部を献上せよとの言いつけによりお持ちしました」と言ってウサギを献上し、王様から「侯によろしく伝えよ。“心遣い、大変嬉しく思う”」と言葉を貰う。これを繰り返して王様と猫が親しくなった頃、猫は三男にある場所で水浴びをさせる。そこに王様と姫が通りがかり、猫はその前に出て「大変です、カラバ侯爵が水浴びをしている最中に泥棒に持ち物を取られてしまいました」と嘘をつく。そうして、三男と王様を引き合わせ、「カラバ侯爵の居城」に王様を招待することになる。

猫が馬車を先導することになり、道で百姓に会うたびに「ここは誰の土地かと聞かれたら、『カラバ侯爵様の土地です』と言え。でないと、細切れにされてしまうぞ」と言う。本当は、ogre(オーガ)の土地だったが、百姓は王様に訪ねられると「カラバ侯爵様の土地です」と答える。そして、王様は「カラバ侯爵」の領地の広さに感心する。

そして、ある豪奢な城に着く。これは、オーガの城だったが、猫はオーガをだまして鼠に姿を変えさせ、捕まえて食べてしまう。そうして城を奪い、王様が着くと「カラバ侯爵の城にようこそ!」と迎える。王様は「カラバ侯爵」に感心。三男は元々育ちの悪い男性ではなかったので、姫は三男を好きになり、しきりに気にかけるようになる。王様はこれに気づき、娘婿になってくれないか、と言う。三男こと「カラバ侯爵」は、その申し出を受けてその日のうちに姫と結婚する。猫も貴族の身となって、鼠捕りは趣味でやるだけになった。

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** ジャックと豆の木 **

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オーガは雲の上の巨人の城の主人。ジャックを追いかけて地上に落ちて死んでしまいます。

イングランドのアルフレッド大王時代のある日、ジャックは母親に言われて牝牛を市場へと売りに行く。しかし、途中で会った男の豆と牛を交換してしまう。家に帰ると怒った母親により豆を庭に捨てられるが、次の朝にその豆は巨木へと成長していた。

ジャックは豆の木を登り雲の上にある巨人の城にたどりつく。城で出会った巨人の妻はジャックに、夫はogre(オーガ)なので早く逃げるようにと言うが、ちょうど巨人が帰ってきてしまう。巨人の妻はジャックを隠すが、巨人はEnglish man(イングランド人)の匂いがすると言う。巨人が寝た後、ジャックは金の卵を産む鶏を奪って家に戻る。味をしめたジャックは後日豆の木を登り金と銀の入った袋を奪う。しかし、ハープを持っていこうとした時にハープが喋り出し巨人は起きてしまう。

急いで地上に戻ったジャックは豆の木を斧で切り、追って来ていた巨人は落ちて死んでしまう。楽をして掴んだ幸せに価値がないことを悟ったジャックは真面目に働くようになり、母子ともども幸せに暮らした。

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オーガ、今もまんまオーガ

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ウィリアム・スタイグの絵本『みにくいシュレック』原作。2001年放映「シュレック」。その後「シュレック2」や「長靴を履いた猫」などのシリーズも放映されています。シュレックは外見とは反対に心優しいオーガ。


シュレック (吹替版)

ダンジョンズ&ドラゴンズ」のオーガは大きく、醜く、欲の皮の突っぱったクリーチャー。身長は9フィート。分厚い皮膚には一面に黒いイボ状の突起があり、乱れて脂じみています。 なまけものの上にかんしゃく持ち。

 


グランブルーファンタジー」のオーガは自己強化とカウンターに特化した純アタッカー系のジョブ。自身の奥義ゲージを上昇させるアビリティと威力の高いカウンターが特徴。

 

オーガ まとめ

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食べ物としての美女を好む、欲の皮の突っ張った化物。知能が低く、弱い者には強く、強い者からは逃げ腰の臆病者。友達もいない偏屈。醜い大男。おおよそ、嫌われる要素が全て揃ったオーガ。典型的なヤラレキャラ。

だから、シュレックのような意外性を持った怪物になって人気者になれたといえるのでは。

逆に、美形で、頭が良く、性格もいい、全部揃いすぎただけでの英雄では物足りないかもしれません。

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