waqwaq

ケルト神話・伝説 怪獣・魔物・妖精

インプ、小悪魔、魔女の使い魔になった意地悪なイタズラ妖精

投稿日:

インプはイギリスの民話に登場するイタズラで意地悪なもとは妖精。

その性格の悪さが災いして(?)か、小悪魔になってしまいます。

イタズラも成功したためしがないといわれるドジキャラ。ドラクエやグラブルに登場するインプも雑魚キャラ。

そんなインプのご紹介です

出典:pinterest


インプ、悪魔になったイギリスの妖精

出典:pinterest

インプはもとはイギリスの森に棲む妖精の一種。名前の由来は「若草」を意味する「インペ(impe)」、「挿し木」を意味するインペットという名でも言い伝えられています。

16世紀頃、「挿し木」の枝は種から育っていないのに、果実を実らせるほどの生命力を宿すところから、魔術的な力があるものとされました。

そのため、当時の学者によって本来妖精であったインプは悪魔に分類されるようになります

その後、インプの外見は頭髪がなくなり、ツノやコウモリのような翼がある魔物に変化してゆきます。

体長は10cm程、全身が黒く、充血した目、尖った耳、ぽっこり突き出した腹、鉤のある尻尾を持った小悪魔。性格は意地悪でイタズラ好き。人助けをする場合でも何か良からぬ事を企んでいるといいます。

けれどインプのイタズラは成功したためしがないという、憎めない存在でもあります。

インプは、その容貌からか、魔女の使い魔とされるようになります。

使い魔としてのインプは普段はヒキガエルや黒猫などに姿を変えていますが、魔女の命を受けると本来の姿に戻って、人間や家畜に様々な悪事を働きます。そのご褒美は魔女の生き血

当時、錬金術においてもインプは使い魔の役目を果たしたと伝えられています。錬金術師はインプを瓶や指輪に封じ込め、儀式魔術によって呼び出し、使役したといいます。

 

イングランドのリンカン市にあるリンカーン大聖堂の柱には、片足を組んだ子鬼の像が彫られています。これは悪さをする2匹のインプのうち、僧侶の命を奪おうとしたインプが天使によって石に変えられてしまったもの。現在も観光名所のひとつとして多くの人々が訪れています。

 

物語の中のインプ

出典:pinterest

 

イギリスの民話『トム・ティット・トット』では 、トム・ティット・トットという名のインプが娘に変わって糸を紡ぐ代わりに結婚を迫って娘を困らせます。

 

あらすじは

食いしん坊の娘を、糸を紡ぐ働き者と信じた王が妃に迎えようとします。

そして、「一年の内11ヶ月は好きなことをして暮らして良い。ただし残りの1ヶ月は5かせの糸を紡いでもらう。もしできなければ娘は殺される」という約束を交わし、娘を妃に迎えます。

そしてついに糸を紡ぐ12ヶ月目がやってきます。けれど、娘は糸を紡ぐことができません。それが王に知られれば殺されてしまいます。

困りはてて泣いている娘の前にトム・ティット・トットという名のインプが現れます

そして「俺が代わりに五かせの糸を紡いでやる。その代わり、このひと月の間に俺の名前を当ててみろ。当たらなかったらお前は俺の嫁になれ」といいます。

娘はそれを承諾し、インプはひと月の間、毎夜紡いだ5かせの糸を持ってやってきました。娘は名前を当てようとしますが、当たりません。

そしてついに最後の日になってしまいます。

その日、王がやって来て、妃に食事を共にするように誘います。その席で王はその日に狩りに行ったこと、そして小鬼に会ったことを話します。

小さな穴の中で小鬼が「ミニー、ミニー、ノット、おれの名前は、トム・ティット・トット」と歌いながら糸車を回している」と。

次の日、インプは最後の紡いだ糸を娘に渡し、薄気味悪い笑いを浮かべ、自分の名前を訪ねます。
さあ、俺の名前を当ててみろ!

娘は答えて「ミニー、ミニー、ノット、お前の名前は、トム・ティット・トット!

インプは「ぎゃー」という小さな叫び声をあげ、暗闇の中に逃げてゆきました。

 

『ジキル博士とハイド氏』などを手がけたイギリスの作家ロバート・ルイス・バルフォア・スティーヴンソンの作品『南海千一夜物語』には、瓶詰めにされたインプが登場しています。

インプは何でも望みを叶えてくれますが、その瓶の所有者のまま死ぬと地獄に落ちてしまいます


インプ現代でも雑魚キャラ?

出典:kamigame.

グランブルーファンタジー」のインプは鋭い爪と槍を持ち、人の邪魔をしてくるあまり賢くない召喚石として登場です。

 

出典:game8

ドラクエ11」に登場するインプは大悪魔となるため修行する悪魔の子。100人の悲鳴を聞いたとき彼らの修行は終わります。


 

出典:megido72-portal

 

インプ まとめ

出典:pinterest

インプ、意地悪だけどドジな小悪魔。あまり怖そうではありません。

出し抜けるなら『トム・ティット・トット』みたいなのがいてもいいかなぁ〜

けれど、まあ、いろんなイタズラされるのもシンドイし、やっぱ悪魔は悪魔なんで、君子は危うきには近づかないほうがいいですよねぇー。


** 関連記事 **

Copyright© waqwaq , 2024 All Rights Reserved.