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人魚姫、アンデルセン童話。ハッピー・エンドするってホント !?

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アン・アンダーソン 作

アンデルセンの童話「人魚姫」悲しい恋の物語としてまず思い浮かびます。

けれど、実は決して悲恋なんかじゃない、ハッピーエンドするお話なんだってご紹介したら驚きですよね。

でも、実際にそういう説もあるのです。

ディズニーの「リトルマーメイド」ではない、アンデルセンの「人魚姫」がなぜハッピーエンドするのか。

御覧ください

 

 

意外と知らない人魚姫の結末は

アン・アンダーソン 作

人魚姫は、デンマークの代表的な童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの1836年の作品。

 

アンデルセンは

1805年に誕生。

みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「雪の女王」など、生涯で約170の作品を遺しています

流れ者の靴職人の父と数歳年上の母親の間に生まれ、貧しい家庭で少年期を過ごします。

若い頃はオペラ歌手や国立バレエ団のダンサーを志します。

1835年、最初の小説『即興詩人』を出版。日本では森鷗外がその翻訳を手掛ける、アンデルセンの出世作となります。

以降、1875年死去するまでの間に多くの童話を発表し続けています。

 

人魚姫 原作のあらすじ

人魚の王には6人の娘がいました。末の娘が15歳の誕生日に、海上に浮かぶ一隻の船に乗る王子様をみて恋をします

その夜、嵐で船は難破、王子が海に放り出されたところを助けます。そして浜辺に連れてゆき、隠れて様子を見ていると近くに住む娘が王子に気付き、近づいて行くのを見て海に帰ってゆきます。

人間に強い関心を持った人魚姫は祖母に人間について尋ねます。祖母は「私たち人魚は300年生きられるけれど、寿命がきたら泡になって消えてしまう人間は人魚に比べたら短命だけれど魂というものがあって、死んでも天国で幸せになれるんだよ」と答えます。人魚姫は魂を手に入れるためにはどうすれば良いか尋ねます

人間が自分を愛して結婚してくれたら可能だけれど、異形の自分たちを愛する人間はいないだろうよ」という答えでした。

人間になりたい人魚姫魔女に尻尾を足に変える薬を貰います。その代償は美しい歌を歌うことのできた声

その時人魚姫は魔女に2つの警告を受けます。人間の足では歩くたびにナイフで刺されたような痛みを感じなければいけないこと。そして王子の愛を手に入れられなければ海の泡となって消えてしまうということ

それでも人魚姫は人間となって王子の側に暮らせるようになります。王子も喋れない人魚姫を愛おしく思い、側において人魚姫には幸せなひと時を過ごします。けれど王子は海辺で王子を介抱した娘と結婚が決まってしまいます

悲嘆に暮れる人魚姫の前に姉たちが現れ、王子を刺して流れた血で人魚に戻れるという短剣を手渡します

その短剣の代償は姉達の美しい髪でした。

人魚姫は、一旦は眠っている王子を刺そうと構えますが、結局愛する王子を殺すこと、彼の幸せを奪うことが出来ずに海に身を投げて泡となります

そして、風の精となって空に浮かび上がってゆきます

戸惑う姫に精霊達は「あなたはこれから風の精のところにゆきます。私たちにも人魚と同じに魂はないけれど、300年風の精としての務めを果たせば魂を得られるようになるのですよ」と答えてくれました。

風の精となった姫はそっと王子と妃となった娘に近づき、王子に優しく微笑みかけ、妃に祝福の接吻をして雲の中に昇ってってゆきました


 

今ならハッピー・エンドする人魚姫もいるよ

やはりデズニー作品「リトルマーメイド」。1989年製作。人魚姫がミュージカルになって結末も王子様と結ばれてハッピーエンドしています。

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ぴちぴちピッチ」の七海るちあはマーメイドプリンセス。北太平洋を領土とするマーメイドの国の王女でピンク真珠の持ち主。人間以外の動物や鳥、水に生息する生き物とテレパシーで会話する事が出来ます

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アンパンマン」のサニー姫はうずまき城に住むおてんば人魚。髪につけると人間になれる”不思議な紅色ヒトデの髪飾り”で人間になったサニーは、学校に行ったり、しょくぱんまんにダンスを習ったりと楽しい毎日を過ごします

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シンデレラ、かぐや姫、赤ずきんなど、少女たちが紡ぎ出す最悪の物語「シノアリス」の人魚姫/ソーサラー。SS武器「悲哀の書」を獲得すると解放されます。

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人魚姫 まとめ

人魚姫は多くの翻訳で「泡になって消えてしまいました」で終わってしまっているのかもしれません。だから悲恋の物語となってイメージされてしまっているのかも。

筆者も、子供の頃に読んだ物語と、大人になって読み返して見た物語では、完全に逆の印象を受けました。

「泡になって上る」という表現の中に、同じ出版社でも翻訳家によってそれぞれにイメージが違うという理由もあるのかもしれません。

ちなみに筆者が大人になって読んだ「人魚姫」は、「ひとりのひとを思い残すことなく愛せた満足感で、ゆらゆらと泡となって昇天してゆきました」というような内容でした。

 

 

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