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フレイヤ、愛と死・豊穣を司る美女神、セイズを操る魔女

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出典:deviantart

美と愛の女神フレイヤ、ワルキューレを指揮する女戦士、エルフの王フレイの双子の妹でもあります。

ゲームやアニメなどでも人気の北欧神話の女神様。

絶世の美女にして自由奔放な生き様は、ギリシャ神話のアプロディーテーに並ぶといわれています。

今回はそのフレイヤに注目です。

 

 

色々な側面を持つ女神フレイヤ

ヨハンズ・ゲールツ作

フレイヤ (Freja, Freyja)父は元ヴァン神族の海と豊穣を司る神ニョルズ(ニヨルド)、母は山の巨人の地母神スカジ

「ヴァンたちの女神」を意味するヴァナディース (Vanadís) とも呼ばれます。

元はヴァン神族でしたが父ニヨルド、兄フレイと共に和解の人質としてアース神族に送られ、アース神族の有力な女神となります。

夫はオーズ。オーズとの間にフノスとゲルセミという娘をもうけます。

 

北欧神話における『美と愛の女神』、豊饒・戦い・魔法・死・月といった属性も併せ持ち、万人を魅了する美しい容姿と、自由奔放で天真爛漫な性格の持ち主

自分の欲望や要求を抑えるということがなく、女性の美徳と悪徳を全て兼ね備えた女神様です。

 

フレイヤの神格

ニルス・ブロメール作

フレイヤは多くの神格を持つ女神

 

戦いと死を司る

出典:deviantart

フレイヤは戦争を司る女神でもあり、女戦士ワルキューレ(ヴァルキューレ)たちを従えて戦場を駆け巡り、オーディンと共に戦争の勝敗と戦死者の管理を司っていました

『古エッダ』や『ギュルヴィたぶらかし』には、フレイヤが戦場で死んだ勇敢な戦士を選び、オーディンと分け合うという記述があります。

戦死者の半分を我が者とし、フォールクヴァングという館にある広間セスルームニルで死者の戦士として復活させる者を選び出していたといわれます。

 

豊穣と愛を司る

アーサー・ラッカム 作

フレイヤは豊穣と平和の神々であるヴァン神族の出身。

豊饒の女神でもあり、多くの動物と深い関わりを持っており、多産な豚はフレイヤの聖獣。

人間の愛人オッタルを変身させたヒルディスヴィーニという『イノシシ』に乗って移動したり、フレイヤ自身が動物に変身することもあったと伝えられます。

 

また、フレイヤは人間が恋愛問題で祈願すれば喜んで耳を傾けるともいわれ、人間の恋愛や性にまつわる悩み・願い事を叶えてくれる『愛の女神』としても信仰されていました。

 

ちなみに金曜日「Friday」は「Freyja's day」が語源、『結婚式に適した吉日』とされています。

 

フレイヤ、美の女神の側面

魔女

出典:deviantart

魔法に熟達したヴァン神族の出身であるフレイヤは、特に女性の感性を引き出すセイズ呪術に長けていました。アース神族に魔法を広めたのもフレイヤ。その技をオーディンに教えたとされています

セイズは人の魂を操る魔法。

霊を呼び寄せて予言を受けたり、己の肉体から魂を分離して遠くで起きた事を知る事もできたと伝えられています。

 

アース神族とヴァナ神族の抗争の原因になった女神グルヴァイグというのもフレイヤの一つの姿なのではないかという説もあります。

 

自分の欲望に忠実

主神オーディンとは公然の愛人の仲、夜になると牝山羊に変身して牡山羊と戯れ、父ニョルズや兄フレイとも肉体関係があったとか。

ドヴェルグ(ドワーフ)たちが作った首飾りの報酬として彼女を望んだ際、一夜を共にします。

『スノッリのエッダ』の中の『ギュルヴィたぶらかし』では霜の巨人もアスガルドに城壁を作る報酬としてフレイヤを望んだと記されており、しばしば性的な欲望の対象にもなっています。

 

去ってしまった夫のために涙を流す

『スノリのエッダ』では、フレイヤはアース神オズルの妻となり娘フノスとゲルシミを生みます。

けれど夫オズルはフレイヤの浮気が原因でフレイヤを捨て去り、果てしない旅に出て、再びフレイヤに会う事はなかったといいます。

フレイヤは帰らぬ夫を捜して世界を回り、去った夫を思い流した涙が金に変わったので、金の事をフレイヤの涙と表現されることもありました。

 

多くの財宝を所有する

彼女の乗る戦車を引くのは"ヒルディスヴィーニ"という元人間の猪、あるいは強力な2匹の山猫

鷹に変身して自在に空を飛ぶことのできる鷹の羽衣」、巨人に盗まれたミョルニルを探すロキに貸し出しています。

ヴァルトアールヴァヘイムに住む4人の黒い小人たちが作成し、小人たちと一夜を共にすることで手に入れた黄金の首飾りブリーシングの首飾り」などがあります。

 

黄金を生み出す

フレイヤは夫のオズルが去った際にはその涙で多くの黄金を生み出しています。

『巫女の予言』に登場する女性グルヴェイグはフレイヤと同一であるという説があります。

グルヴェイグはセイズ魔法で人々をたぶらかした魔女とされますが、その「グルヴェイグ(Gullveig)」の名は「黄金の力」の意味。黄金の擬人化であるともされています。

 

 

フレイヤ、北欧の美と愛の女神はご多忙です

至高のハイファンタジーRPG『ヴァルキリーコネクト(ヴァルコネ)』では中距離タイプの聖女。神々も見とれる美貌をもち、誘惑効果のある魔法攻撃で直近の敵グループを殲滅。

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新作のGOW4ではオーディンとの間に軍神バルドルをもうける森の魔女。クレイストにバルドルを倒されたことからバルドルを憎む存在として描かれています。

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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のフレイヤは【フレイヤ・ファミリア】の主神、容姿端麗な神々においても随一の美貌を持つ『美の女神』

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フレイヤ まとめ

エミール・ドプラー 作

愛と豊穣を司るフレイヤ、自然な形で周囲を愛する天真爛漫な女神様。

そのことで喜びや当然悲しみも味わう。

良いか悪いか、成りたいか成りたくないかは別として、自分の感情に素直なのだと理解はできる女神様です。

 

 



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