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ヘイムダル、虹の橋ビフロストを守る謎多き光の神

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ヘイムダルでイメージするのはやはりマイティーソー の中の光の神。それ以外あまり馴染みがないようにも思いますが、実は人類の祖にしてラグナログの際にはロキと相打ちになる重要な存在なんです。

「謎多き光の神」とも称されるヘイムダルのその由縁を探ります。

人間の理解を超えた神々の生い立ち、ご覧ください。

画像出典:amekomisokuho.


謎多き神ヘイムダル

出典:mementmori

ヘイムダルは「謎多き神」といわれています。「ヘイムダルの謎」では「9人の母の子、9人姉妹の息子」と謳われており、この母や姉妹は海の波。ヘイムダルは波の間から昇る暁光の象徴、万物生成の神としての属性を持った存在。また世界樹ユグドラシルが神格化された存在であるという説も存在しています。

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ヘイムダルは神の国アスガルドと人間の国ミッドガルドをつなぐ「ビフロストの橋」を守ります。ビフロストの橋近くに建つヒミンビョルグという館に住まい、アスガルドへの外敵の侵入を防ぎます。

グルトップ(Gulltoppr)という黄金の前髪を持つ馬を飼い、バルドルの葬儀の際はその名馬グルトップに乗って参列したと伝えられています。

ヘイムダルの出生

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ヘイムダルは神々を父に(オーディンの息子であるという説もあります)、9名の姉妹、「波の乙女」と呼ばれた海神エーギルとラーンの娘たちを母に生まれました

人間の始祖

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ヘイムダルは古エッダ「リーグの歌」に記述されている人間の始祖リーグ(Rígr, Ríg)と同一視されています。

成人したヘイムダルは人間界を訪れ、年齢の異なる3組の夫婦の元で1夜を過ごし、それぞれの妻と交わります。3人の妻は身籠り、出産。その子らは貴族・自由農民・奴隷という3つの階級の起源になったと伝えられています。

ヘイムダルの能力

ヘイムダルは昼夜を問わず100マイル先まで見通せる「千里眼」、どんな小さな音でも聞き逃さない、芝が伸びる音や葉が落ちる音まで聞き取れる「地獄耳」、また一切の睡眠を必要としない特殊な能力を有していました

また、ヴァン神族であるヘイムダルには未来を予知する能力も備わっていたと伝えられています。

ヘイムダルの容姿

ヘイムダルは様々な異名を持ちます。そのひとつ「白きアース神(Hvítastr-Ása)」、これは

神々の中でも最も美しい容姿を持つヴァン神族である光の神を意味していると考えられます。

全ての歯が黄金である「黄金の歯を持つもの(Gullintanni)」、鋭い角を持つ「曲がった枝」。そして黄金の牙、鋭い角を持つ牡羊の化身とも考えられ、古代の北欧では鋭い剣を「ヘイムダルの頭」と表現したと伝えられています。

ヘイムダルの役割

出典:mementmori

ヘイムダルの肖像の多くに角笛ギャッラルホルンが描かれています。ヘイムダルは最終戦争ラグナログが起こる際この角笛ギャッラルホルンを吹いて、アースガルドの神々に「世界の終末」を知らせるという役割を担っていました。

ギャッラルホルンは通常世界樹ユグドラシルの根元にあるミーミルの泉に隠し、有事の際にそれを吹き鳴らします。

ヘイムダルとロキ

出典:ウィキペディア

ヘイムダルとロキは因縁深い関係にあります。

『ロキの口論』第48節でロキはヘイムダルを「昔は背中を濡らしながら常に目を覚ましていて、見張り番をしなければならない卑しい存在だった」と評しています。

いたずら好きのロキが女神フレイヤのブリーシンガ・メンの首飾りを盗んだ際、それを目撃しロキを追跡、激しい戦いの末フレイヤの首飾りを取り戻しています。その際ロキとヘイムダルはヴァーガ岩礁とシンガ岩で決闘、ヘイムダルはアザラシに姿を変え、戦います。

ラグナログでもヘイムダルはロキと戦う宿命にあります。巨人軍に寝返ったロキを討つという予言を受け、その予言の通りに相打ちという結果に終わっています。



現代でも超能力は有効?ヘイムダル

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木下さくら作の漫画「魔探偵ロキ」ではロキに右目を取られ憎んでいる小学生の東山和実として登場。未来を見る予知能力や遠くを見通せる千里眼を持つ少年。


魔探偵ロキ RAGNAROK/ 1【電子書籍】[ 木下さくら ]

出典:zh.moegirl.

超神化系RPG「プロジェクトではギャラルホルンを解放ウエポンに、透視能力と驚異的な聴力を持ち、竜巻を操る神姫として登場しています。

ヘイムダル まとめ

出典:amekomisokuho

尖った鋭い角、黄金の歯を持ち、視覚と聴覚に優れた予知能力の持ち主ヘイムダル。これはもう神というより憑依するペルソナそのもののような存在に思えます。

ヘイムダルが人類の祖であるのなら、人類にも実は想像を絶する潜在能力なんかも備わっていたりするんでしょうか。

ひたすらそれを期待する凡人のひとりです。



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