ゲルマン神話 神・英雄・怪人

スルト、ラグナログで世界に終焉をもたらす炎の巨人

更新日:

スルト-1

ゲルマン神話の終末・ラグナロクにおいて、世界を炎に包み、焼き尽くす役目を担う炎の巨人・スルト。

世界の始まりから存在し、世界に終末をもたらします。

巨人族の王にして、ムスペルヘイムの守護神、豊穣の神フレイを倒した怪物。

今回はスルトのご紹介です。

画像出典:pinterest


世界を終わらせる炎の巨人・スルト

スルト-2

出典:ウィキペディア

スルトは、ゲルマン神話に登場する炎の巨人です。

巨人族・ムスペル族の王であり、原初の巨人・ユミルが誕生する以前からあるとされる炎の世界・ムスペルへイムを支配しています。「スルト」という名前は「黒」を意味し、全身に黒々とした炎をまとった姿で描かれました。

 

スルトとレヴァーティン

スルトは、「枝の破滅」の異名がある炎の剣を持っており、この剣によって世界に終焉がもたらされます。ラグナロクが起こるまでは、炎の剣を掲げ、ムスペルヘイムの国境を警備することが務めです。

一説では炎の剣は、レヴァーティンと呼ばれる魔剣と同一視されています。

レヴァーティンは、いたずらの神・ロキが氷の国・ニヴルヘイムの門の前でルーン文字を刻んで鍛え上げたとされる剣で、普段はスルトの妻・シンモラが大きな箱に9つの鍵をかけて厳重に保管しています。一説によると、レヴァーティンは豊穣の神・フレイが過去に手放した剣であり、どのような経緯かは不明なものの、後にスルトの手に渡ったといわれています。

 

スルトとラグナロク

スルトが活躍するのは、終末の日・ラグナロクです。

彼は、ムスペル族を率いて神々を攻撃し、世界を破滅させる役割を担っています。

『スノリのエッダ』の第1部『ギュルヴィたぶらかし』によると、ラグナロクが訪れるとスルトはムスペル族の先頭に立ち、神々の国・アスガルドに侵攻しました。虹の橋・ビフレストを粉々に砕き、決戦の地・ヴィーグリーズで神々の軍勢と相まみえることになります。

激しい戦闘の中、スルトはフレイと戦うことになります。

フレイは、かつて正しい持ち主ならば勝手に動いて敵を倒してくれる「勝利の剣」を持っていましたが、一目ぼれした女巨人・ゲルズを手に入れてくれた褒美に召使いのスキールニルに与えてしまいました。そのため、代わりに鹿の角で応戦しましたが、スルトに角を奪われ、刺し殺されてしまいます

フレイを殺害した後、スルトは炎の剣を振るってヴィーグリーズに炎を放ちます

神々も巨人もあらゆるものが炎に包まれ、大地は海の底に沈んでいきました。こうして、ラグナロクは終わり、生き残った者が新たな世界を築くのです。

 

ちなみに、ゲルマン神話がモチーフとなっている『指輪物語』の悪鬼・バルログはスルトがモデルになっています。


ラグナロクと炎は切っても切れない関係

スルト-3

出典:imdb.

ゲーム「Fate/GrandOrder」の第2部第2章「無間氷焔世紀ゲッテルデメルング」では、セイバーのサーヴァントとして登場。自身のマスターに固執し、ある英霊の身体をのっとります。

映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」では、物語の鍵を握る役割を持って登場。

50万年前に主人公・ソーの父であるオーディンに敗北し、炎の力を奪われ、アスガルドに復讐するためにラグナロクの時を待っています。ちなみに、この作品の原題は「マイティ・ソー ラグナロク」であり、ゲルマン神話のその時を再現しています


知っておきたい 伝説の魔族・妖族・神族


いちばんわかりやすい 北欧神話 (じっぴコンパクト新書)

 

スルト まとめ

スルト-4

出典:pinterest

ラグナロクの時に姿を表し、世界を滅ぼす炎の巨人・スルト。

他では、彼にまつわるエピソードがなく、その正体は謎に包まれています。そのため、スルトは「世界に終焉をもたらす」というイメージしかなく、人々に恐ろしさを与えます。

世界に終わりをもたらす存在は、そういったものの方が良いのかもしれません


Copyright© 世界の神話・伝説 , 2019 All Rights Reserved.