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セイズ、北欧の呪術。フレイヤも巫女、官能的な予言と呪いの魔術

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女神フレイヤが巫女であったセイズは、北欧の呪術。

歴史の上でも、バイキングやキリスト教化以前の古代スカンジナビアの人々は習慣として、未来を知り、敵を倒す手段として用いていたと伝えられています。

霊との交信を行うことで、予知や呪詛(呪い)、善にも悪にも用いられるセイズ、その神秘の呪術に注目です。

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セイズ、未来を予言し、敵を呪う魔術

出典:Wikipedia

セイズ (Seiðr) は北欧の魔術。古代スカンジナビアで慣習として行われていました。

多くの場合、呪術者は女性で、ヴォルヴァ (vǫlva)、セイズコナ (seiðkona)と呼ばれていました。

セイズは降霊術で、呪術者が薬草や小道具を使ってトランス状態になり、魂を肉体から解放し、精霊や先祖の霊と交信し、予言を受けます

肉体を離れた魂は遠く離れた地の出来事を知ることもできたと伝えられています。

セイズは性的な恍惚感を伴う技法、その儀式には呪歌『ヴァルズロック』が唱歌され、呪詛や敵の攻撃に用いる「黒魔術のセイズ」と、未来を予言する「白魔術のセイズ」に大別されます。

 

セイズの術者「ヴォルヴァ」は、巫女やシャーマンの様な存在として崇められていました。この名は「杖を持つもの」を意味し、杖は力のシンボルであり、魂が旅するための必需品。

ヴォルヴァはトリネコの木で作られた杖を、魔力を集中させる媒体として使用します。

呪詛に使用する場合は、杖で殴るように接して呪いをかけ、呪われた者は病や死に至ることもあったと伝えられています。

 

歴史の中のセイズ

出典:Wikipedia

セイズは13世紀に書かれたとされる『赤毛のエイリークのサガ』やアイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによって書かれた『ユングリング家のサガ』にも記されています。

『赤毛のエイリークのサガ』にはグリーンランドには「ソルビョルグ」という名のセイズコナやヴォルヴァがいたと記述されています。

『ユングリング家のサガ』にはセイズには占いと遠隔操作の魔法が含まれると述べています。

 

ヴァイキングの文献によれば、セイズの術者はヴァイキングにとっての宗教的な指導者でした。

ヴァイキングたちはセイズの儀式によって未来を見通し、危機を回避。敵に魔法をかけ、倒す手段として用いていました

セイズは使い方では人を堕落させる魔術でもあります。

ノルウェーを最初に統一した王とされるハラルド美髪王(ハーラル1世 在位:872年頃 - 930年頃)は、セイズの慣習にふけったという理由で、自分の息子とその取り巻きを死罪にしたと記録されています

 

けれど、セイズは悪や快楽ためにも用いられましたが、主な目的は有益な日々の導きとしても用いられる魔術でした。

 

セイズ呪術の儀式

セイズ呪術には魔法の道具一式が必要であったとされています。

また、セイズを行うものは道具を使いこなせる熟練者でなければなりません。

動物の毛皮をまとった術者は魔法の杖を持ち、高い台の中央に立ち、その周囲を助手が囲みます。一同は呪歌『ヴァルズロック』を歌い、術者はトランス状態に入ってゆきます。

術者には魂の解放と同時に、性的な快感がもたらされます。

杖を媒介にして呪文を唱えると霊が呼び出されます。霊は術者に未来に起こることをあかし、術者は場合によっては呪詛を願います。

 

神話の中のセイズ

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神話の中でのセイズはかつて魔女グルヴェイグがアース神族の娘たちを堕落させたことでアース神族とヴァン神族との戦いの原因にもなっています

その結果フレイヤがアース神族に移り、『ヘイムスクリングラ』の序章『ユングリンガ・サガ』によれば、セイズはヴァン神族であったフレイアがアース神族にもたらしたとされています。

その他、「グローアの呪文歌」と呼ばれるエッダも残されているグローア(Gróa)はセイズを用いてトールの傷を治療したとされる魔女。

オーディンが死者の国を訪れ、女予言者ヴェルヴァに息子バルドルの運命を予言するよう求めたという神話も残されています。

 

セイズ呪術は多くの場合女性が行いますが男性も使うことは可能でした。そしてフレイヤは愛人オーディンにその技法を伝授したとも伝えられています。

けれど、男性がセイズ呪術を行う場合、同性愛の女性を演じることになり、恥かしいこととされ、オーディンもロキに「恥かしいやつ」と陰口を言われています。


セイズ呪術、現代でも武器魔法

出典:ameblo

スマホゲームフェアリーテイルのビックスローはセイズ魔法を操り、人の魂を見ることができる魔導士

 

出典;wiki.famitsu

モンスターストライク」の進化型フレイヤのストライクショットは、母神の力で自身のスピード&パワーをアップさせる効果の「ヴァナディースセイズ」

 

出典;iapplife

アプリゲーム「オセロニア」の愛と戦いの女神フレイヤは、攻撃力をアップさせる「ヴァナディースセイズ」というスキルを備えています。

セイズ呪術 まとめ

グルヴェイグ-4出典:pinterest

日本でも卑弥呼の時代から、巫女は霊や神と交信し、そのお告げで人々を支配していた。そんな時代があったことを考えれば、決して北欧の呪術も特異なものと決めつけてしまえないと気付きました。

神の存在を信じる民がその声を聞きたいと願うのは自然なこと。

ただ、セイズに限りませんが、だからこそ呪術というのはやっぱり怖いですw


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