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悪役キャラのハデスってホントに悪者?

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ギリシャ神話を題材にした作品では、ほぼ悪役である冥府の王・ハデス。そのため、「ハデス=悪者」という等式がある方も多いはず。

ですが、実際のハデスとは大違い。「ハデスが悪者なんてイメージ、どこからきたの?」なんて疑ってしまうほどの純情で心優しい神様なんです。

今回は、いろいろと誤解が多い、冥王・ハデスをピックアップ!

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実は、純情だったり大らかだったりするハデス

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ハデスは、クロノスとレアの息子として生まれました。海神・ポセイドン、天空神・ゼウスは弟です。

ゼウスが父であるクロノスに戦いを挑んだ時は、味方として共闘。かぶると姿が見えなくなる「隠れ兜」を持っており、ゼウスに貸し出しています。また、巨人族と神々が宇宙の支配権を争った「ギガントマキア」ではヘルメスに、メデューサ退治の際にはペルセウスにも貸して、助けました

クロノスに勝利した後、弟たちとくじ引きでそれぞれの担当する地域を決め、ハデスは死者の国である冥府を割り当てられました。普段は冥府に住み、オリンポスには来ないので、オリンポス十二神の中には入っていません。

 

ハデスにまつわる神話で有名なものが、妻・ペルセポネの略奪

ハデスはある日、大地の割れ目から地上を見上げ、花をつんでいたペルセポネに一目ぼれします。女性の扱いに不慣れなハデスは、ペルセポネへのアプローチ方法が分からず、彼女の父であるゼウスに求婚の許可をとりにいきます。ゼウスは承諾しますが、ペルセポネの母のデメテルには、なんの相談もしていませんでした。

大地を引き裂き、ペルセポネを冥府へとさらったハデスはプロポーズしますが、母を恋しがって泣き出した彼女にそれ以上強引なことはできず、困り果ててしまいます。

一方、ペルセポネがいなくなったことに気付いたデメテルは、「心優しいハデスがさらうなんて荒業をするわけない」と考え、ゼウスを問いつめます。黒幕がゼウスと分かり、激怒したデメテルは、豊穣の神の仕事を放棄。そのため、世界中で飢饉が引き起こされてしまうのでした。

落ち込んだハデスは、ペルセポネに「地上に帰る前に冥府の食べ物を食べてほしい」と頼みます。「冥府の食べ物を食べると住人とみなされ、冥府で暮らさなければいけない」という掟を知らず、差し出されたザクロを4つ食べてしまったペルセポネ。

ハデスはペルセポネを地上に返しますが、冥府の食べ物を食べてしまったことを知ったゼウスは、掟に従って冥府に留まることを命じます。ペルセポネは、1年を食べたザクロの実の数(3分の1)だけ、冥府で暮らすことになったのでした。

悲しんだデメテルは、ペルセポネが冥府にいる期間だけ仕事を放棄。そのため、冬が生まれたといいます。四季は、ここから登場したんですね。

 

その他にも、亡くした妻を取り戻すために冥府に来たオルペウスに感動し、妻を返してあげたり、ヘラクレスに怪物・ケルベロスを生け捕りにする許可を与えていたり。

医術の天才・アスクレピオスが死者を生き返らせた時は、「世界の秩序が乱れる」と抗議しています。職務に忠実なハデスらしい抗議です。
ちなみに、アスクレピオスは抗議を受けたゼウスに射殺されますが、同時に偉業をたたえ、蛇使い座として迎えられています。





おっさんから美少女にまで、何でもなっちゃうよ!

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1997年に公開されたディズニーのアニメ映画『ヘラクレス』では、典型的な悪役です。

オリンポスの支配者であるゼウスを倒し、乗っ取る野望を抱いています。そのため、計画の邪魔をする主人公・ヘラクレスを排除しよう目論みます。ヴィランであるものの、表情豊かでコミカルな一面も持っているところが特徴的。

「キングダムハーツ」

その最新作は2019年1月発売予定。ウェア・エニックス社のプレイステーション4用ソフト、XBoxOne用ソフト。ソラ、ドナルド、グーフィーの3人は「心を戻す鍵」を探すために、再び様々なディズニーのワールドを駆け巡ります。冥王ハデスもマレフィセントやピートと共に悪役キャラで活躍?!

美少女戦士セーラームーン」

ハデスの別名であるプルートから発想を得た、セーラープルート(冥王せつな)が登場しています。忍耐強く、厳しさと優しさをあわせ持つ大人の女性として描かれています。


美少女戦士セーラームーン セーラープルート フィギュア

まとめ

ハデスは、純情で真面目な心優しい神様だったんですね!

ちなみに、ハデスの悪者のイメージは、キリスト教の影響が強いといわれています。

キリスト教では、死にまつわるものは怖れられていたこと、地獄と冥府が混同されたことが主な理由です。ちなみに、冥府はあくまで死者の国であり、死後に刑罰を行うキリスト教の地獄ではありません。どちらかといえば、煉獄に近いものです。

奔放なギリシャ神話の神々の中でも、まともなハデスですが、未だに悪者のイメージは払拭されていません。ハデスを悪者でなく、実像に近い姿を描いた作品にいつか出会いたいものです。





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