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「平家の落人」の今、今も残る数々の落ち武者伝説とは

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「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」懐かしい学生の頃学んだ(汗)「平家物語」の有名な冒頭です。平家物語とは「奢れるものも衰退してはかない」ことの琵琶法師の弾き語りで伝えられる物語。

そして、戦に負けた平家は「平家の落人(おちゅうど)」として難を逃れ、今もその名残を伝える伝説が全国に存在しています。

今回はその「平家の落人」について探索してみたいと思います。

画像出典:pinterest

平家の「盛者必衰の理」

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俗にいう「源平の戦い」治承・寿永の乱(じしょう・じゅえいのらん)は、平安時代末期治承4年(1180年)〜元暦2年(1185年)にかけての6年間にわたる内乱をいいます。

反乱や平清盛の死も影響して平氏政権は崩壊、源頼朝を中心とする鎌倉幕府の樹立という結果に至ります。

最終的な決戦の地「壇ノ浦の戦い」では、平氏の武将達と共に幼い安徳天皇の手を取った二位尼も三種の神器をたずさえて入水、平氏は滅亡します。

しかしその中でも落ち延びたものがいます。

平家の落人

一ノ谷の戦い、屋島の戦い、壇ノ浦の戦いにおいて落ちのびた平家の残党をいいます。

武士は落武者ですが、落ちのびたものの中にはその家族や平家に味方した関係者なども含まれるため「落人(おちゅうど)」といわれています。

落人が潜んだ地域をとくに平家谷、平家塚、平家の隠れ里、平家の落人の里といいます。

隠れ里

平家の残党は大抵の場合、人が近づかないような場所に里を築きました。山奥くや離れ島、孤島など。隠れ里とは一種の仙郷、猟師が深い森の中で道に迷い偶然たどり着いた別天地であったり、静かな山の中からかすかに機織の音が聞こえる、川上から食器が流れてきたなどの逸話が残っています。

落ち武者狩り

その地域に暮らす百姓が自衛の為、落ち武者を襲い、刀や金品、鎧などを略奪して落武者を殺すという暴挙が起こりました。落人達は追っ手と共に、落人狩りからも逃れる必要があったのです。

十三塚

日本の各地に存在します。その多くは落武者などの戦死者の供養のために造られたもの。

そのほか、埋蔵金の隠し場所、怨霊や無縁仏の供養塚、異界との境界を鎮護する為のものであるといわれています。

 

今も残る落ち武者の各地の隠れ里

栃木県日光市湯西川温泉は、平重盛の六男・忠房の息子らが落ち延びたとされる落武者の隠れ里、毎年6月には平家大祭も開かれています。

そのほか、東北地方から九州に至る各地に隠れ里は点在します。その中には秘境の温泉地として紹介されているものもあり、静かな落日の佇まいを見せています。



魔物と化した?落武者のたたり

魔物娘図鑑の落武者 出典:pixiv

NHK大河ドラマ「平清盛」

2012年放映、松山ケンイチ主演、平清盛を中心に壇ノ浦の戦いまでの平家の栄枯盛衰を敵総大将源頼朝の視点を通して描きます。


日本の古典をよむ(13) 平家物語 (日本の古典をよむ) [ 市古 貞次 ]

八つ墓村

落武者のたたりでまずあがるのが映画「八つ墓村」。横溝正史原作1977年制作、石坂浩二主演の金田一耕助シリーズの中の一作。平家の隠れ里「八つ墓村」で起こる殺人事件の根底にあったのが落ち武者のたたりというもの。当時の大ヒット作のひとつです。


あの頃映画 the BEST 松竹ブルーレイ・コレクション::八つ墓村【Blu-ray】 [ 萩原健一 ]

耳なし芳一

平家物語を語る琵琶法師に起こる体験談。平氏の怨霊をモチーフにした小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談。


耳なし芳一/雪女新装版 八雲怪談傑作集 (講談社青い鳥文庫) [ ラフカディオ・ハーン ]

まとめ

落武者と聞くだけで、残忍なシーンが連想されます。日本に限らず歴史の中には栄光があるだけ、敗者がたどる血生臭い争いの影が残ります。

それでも隠れ里、仙郷として独自の文化や時間の流れで新しい世界に溶け込んでいった落人には拍手を送りたいと思います。



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