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「天照大神」。実は男神??? 幾つもの顔を持つ、謎に満ちた大神

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天照大神は日本の総氏神として、日本人なら神の名でまず上がる女神様。多くのゲームや漫画でも様々なモチーフになって描かれています。けれどその実態は、驚くほどの謎に包まれた存在ってご存知ですか。

そこで、今回は天照大神にまつわる謎と天照大神という氏神様について探ってゆきたいと思います。

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様々な謎に満ちた天照大神

出典:ウィキペディア

「古事記」での天照大神は、父伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が禊の儀(黄泉の国の汚れを落とすため)で洗った左の目から生まれたとされています。弟、須佐之男命(すさのおのみこと)、月読尊(つくよみのみこと)との三貴子の一柱。高天原の最高神であり、太陽を神格化した女神様、日本の総氏神様にして、皇室の祖神。つまり、日本で一番偉い神様です。

 けれどその実態については幾つもの謎に包まれています。

本当の天照大神はダレ?

本地垂迹説では十一面観音大日如来が本地(本来の姿、本性の意味)。

本地垂迹(ほんじすいじゃく)とは、仏教が興隆した時代に発生した神仏習合思想の一つで、日本の八百万の神々は、実は様々な仏(菩薩や天部なども含む)が化身として日本の地に現れた権現(ごんげん)であるとする考えである

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両部神道では胎蔵界大日如来であると同時に梵天(ぼんてん)(仏教の守護神である天部の一柱)、日天子(にってん)(大乗仏教に取り入られた天部の神(デーヴァ))

であるとされています。

ちなみに両部神道(りょうぶしんとう)とは真言宗からの神道解釈をいいます。

幾つの名前を使い分ける?

「古事記」では天照大御神(あまてらすおおみかみ)、「日本書紀」では天照大神

大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)、大日女尊(おおひるめのみこと)、大日霊(おおひるめ)、大日女(おおひめ)もすべて天照大御神。

伊勢神宮では天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、皇大御神(すめおおみかみ)。天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)と唱える場合もあります。

男神か女神か

「日本書紀」の中で、須佐之男命が天照大神を「姉」と呼んでいることで女神であることが一般に認識されています。けれど神道において、男神は陽で、女神は陰。伊奘諾は陽神(をかみ)、伊邪那美は陰神(めかみ)となります。太陽は「陽」で、月は「陰」であり、そのため太陽神である天照大御神は「男神」であるということになります。

仏教においてもまず天照大御神は観音菩薩であったのが、やがて宇宙神である大日如来と同一視されるようになり、武士の台頭により中世神話では男神とされていたと伝えられています。

卑弥呼と同一人物?

「魏志倭人伝」で伝えられる邪馬台国の「卑弥呼」が天照大神であったという説は昔から伝えられていました。卑弥呼(卑彌呼)」とは「ひめみこ」の発音が魏の国にうまく伝わらず「ひみこ」となったとも推定できるというもの。そして「ひめみこ」=「皇女」。卑弥呼とは邪馬台国の皇女であるということになります。

そして卑弥呼と天照大神にある共通点として

  • 生涯独身であった
  • 弟がいる
  • 「古事記」と「魏志倭人伝」に同じ高木神(たかぎのかみ)という存在が記されている
  • 「魏志倭人伝」で伝えられる「倭の国」の倭が「古事記」にも記されている。

などがあげられます。


わがままになる、エロくなる、性格も風貌も変化する現代の天照大神

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石ノ森章太郎氏「マンガ日本の古典」ではダメ息子や部下に振り回されるヒロイン役、水木しげる氏「水木しげるの古代出雲」では妖怪じみた悪役として描かれています。

その他『女神転生』シリーズでは悪魔、18禁RPG「Izumo」、「ペルソナ4」では天城雪子の後期ペルソナとして登場。

大神」でのアマテラスは主人公である白い狼。森羅万象を操る神業「筆しらべ」をもって、蘇ったヤマタノオロチを封じ込め、再び世界に光を取り戻すために新たな旅が始まります。


大神 絶景版

まとめ

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男神である、卑弥呼である、大日如来である、どれもなんとなく違和感がないように思います。

例えば天岩戸のエピソードで、アメノウズメの踊る姿を覗き見たために岩戸が開くきっかけになったという説もあり、それがもし天照大神が男神ならその姿はより容易に想像できそうに思います。

ともかく、天照大神とは卑弥呼であっても、大日如来であっても、わがままでも、白い狼でも、不自然に思わないほどに大きく柔軟な存在であると認識できるように思うのですが。。。

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