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大年神・大歳神とは。多くの神徳を持つ、正月にお迎えする神

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大年神・大歳神(おおとしのかみ)は年神様として親しまれ、正月にお迎えする神。門松も鏡餅も大年神にむけたおもてなしなんです。

意外と知らなかった、けど、考えてみれば知らない事の方がおかしいのかも。

そこで、お正月のこの時期はやはり「年神様」のご紹介です。

しっかり理解して、大年神にも気持ち良くご来訪・ご滞在いただいて、新しい年の福を目一杯授けてもらいましょう。

出典:neoapo.


様々な異称・神徳を持つ大年神・大歳神

出典:Wikipedia

大年神・大歳神(おおとしのかみ)は日本神話に登場する神。神道では方位神のひとり太歳神(たいさいしん)。

大年命(おおとしのみこと)、大年大神・大歳大神・大歳之大神(おおとしのおおかみ)、毎年お正月にお迎えする神として、歳徳(としどく)、お歳徳(とんど)、正月様、恵方(えほう)様と呼ばれ親しまれています。

日本神話の中『古事記』においての大年神(おおとしのかみ)は須佐之男命(すさのおのみこと)と神大市比売(かむおおいちひめ)の子神。幾人かの女神を妻とし、多くの神の父となります。香用比売(かよひめ)の間に御年神(みとしのかみ、おとしのかみ)、孫に若年神(わかとしのかみ)、同様の神格の神が生まれています。

大年神は年の変わり目に訪れて、家の安泰や繁栄を見守ってくれる豊穣の神

とし」は本来は穀物などの実りや収穫を意味していましたが、その収穫のためにかかる期間が1年であるところから「年」を意味するようになったと伝えられています。つまり、年神様は本来「豊かな実りをもたらす神」を意味しています。

そして、農作を守護する神と家を守護する祖霊が同一視され、家を守る神様としも祀られ、地域や時代で信仰も増え、幾つのも異称・神徳を持つ神として定着していったものと考えられます。

 

大年神・大歳神の異称・神徳

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** 年徳神・歳徳神 **

歳徳神(としとくじん)は、その年の福徳を司る神

徳は得に通じ縁起が良いとされたため、中世のごろから年神(歳神)は年徳神(歳徳神)としても信仰されるようになります。方位学としても、歳徳神のいる方角は「恵方」、縁起の良い方角とされます。

暦には女神の姿をした歳徳神も描かれていますが、本来、神話に出てくる大年神は男神、その姿は様々です。

正月前に出会った翁(おきな)が童(わらべ)で正月明けの年神である事に気付くという伝承も残されています。

 

** 太歳神 **

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太歳神(たいさいしん)は陰陽道8方位神のひとり。仏教での薬師如来の権現(ごんげん)であるとされています。

同じ8方位神の太陰神(たいおんじん)仏教での聖観音菩薩の夫

四季において万物の生成を司り、方位神として八方に影響力を持つとされています。

木星(歳星)の精とされ、樹木や草の生成にも影響力を持ちます。そのため、太歳神の位置する方位に植物を植えることは吉ですが、伐採などは凶とされます。

方位神

方位神(ほういじん)とは、中国の民間信仰「九星術」から生じた神々。その神のいる方位に対して事を起こすと吉凶の作用をもたらすと考えられています。

吉神のいる方角を「吉方位」、凶神のいる方角を「凶方位」といいます。

 

** 来方神 **

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来訪神とは年に一度、決まった時期に人間の世界に来訪するとされる神。大年神は正月に家々を訪れる来訪神

地方によっては年殿、トシドン、年爺さん、若年さんなどの呼び名でも親しまれています。

現在でも残る正月の飾り物の風習は、元々は年神様をお迎えするためのもの

門松は年神が来訪するための依代(依り憑く(よりつく)対象物)であり、鏡餅は年神様へのお供え物。本来は各家で年神棚・恵方棚を作り、そこに鏡餅などを供え、年神様をお迎えしています

 

** 穀物神 **

江戸時代の国学者『古事記伝』の著者本居宣長は、大年神は穀物神、農耕神であると述べています。大年神の「年」は稲の実りをいいます。

古代、農耕が盛んになるにつれ、年の始めにその年の豊作が祈願され、それが正月の中心行事として年神を祀るようになります。

 

** 祖霊 **

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年神は家を守る祖先の霊、祖霊としても祀られています。これは、豊作を守護する神と家を守護する祖霊が同一視されたため。

民俗学者柳田國男は、「一年を守護する神、農作を守護する田の神家を守護する祖霊の3つを一つの神として信仰した民間神が年神である」と紹介しています。


イケメン男神、呪いにもなる? 大年神・大歳神

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漫画『いなり、こんこん、恋いろは』では穀物神の男神。主人公の伏見いなりに変身能力を授けた宇迦之御魂神の兄として登場しています。


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探偵・朱雀十五の事件簿シリーズ 第5弾「大年神が彷徨う島

絶海の孤島・鬼界ガ島で神意に背きし者、ある時は蒼白く光り続ける死体となり、ある時は業火に包まれ死体となる。大年神の像が動きまわり、死体はさらに増えていく……。これは呪いか、神罰か?

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大年神・大歳神 まとめ

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お正月だからと何気に飾っていた門松や鏡餅が年神様のお供え物で、お正月行事が年神様をお迎えする儀式であると改めて考えると、何か今までとお正月という行事が違ったもののように思えます。

「一年の計は元旦にあり」、なるほど、いろんな福を授けてくださる神様が来訪してくださる時に、だらけてはいられませんものね。ん〜〜〜〜

by pam(神伝編集部)


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